セオリー通り生命保険を選択するには? ー一般的な保険商品の提案方法ー

ざっと生命保険という仕組みについて紹介してきましたが、まとめとして世の中の一般的な生命保険の選択の仕方について紹介したいと思います。

1.ライフサイクルと生活設計

人生には、出生-成長-結婚-育児-老後の段階があるといわれており、これらの段階の変化をライフサイクル(家族周期、人生の生活周期)という。
生活設計とは、各家庭で将来必要になる資金とその時期を考え合わせて、計画的に準備することだが、その生活設計を立てるときに役に立つのがライフサイクル表だ。
ライフサイクル表

ライフサイクル表は、このように家族の年齢や子供の教育・結婚、住宅取得、夫の定年退職、現在の貯金から収入の増減などの情報をある一定の計算式等によって表にまとめたもので、長い人生について、どのように収支の変化が起こっていくのかを予測することが出来るものだ。

2.生活設計と生命保険

ライフサイクル表を作って将来の生活設計を立て、収支を予測し、それぞれの費用を目的別に区分して、準備することを経済準備というが、例えば以下の通りとなる。

一、夫が死亡した場合に必要な資金
遺族生活資金、と呼ばれるが夫の死亡におり残された家族の生活が脅かされぬよう、末子の大学卒業時(22歳)までの生活資金(家族の生活資金)と、それ以降の妻の平均余命期間の生活資金(妻の生活資金)を確保する
二、老後に必要な資金
老後生活資金、と呼ばれるが、豊かな老後を送る為、夫の定年退職後の夫の平均余命期間の夫婦の生活資金(夫婦の老後生活資金)と、夫死亡後の妻の平均余命期間の妻の生活資金(妻の老後生活資金)を確保する
三、その他の必要な資金
住宅資金…持ち家の為の住宅資金の確保
教育・結婚資金…子供を独立させ、結婚させるまでの資金
緊急予備資金…入院・治療費などの医療資金、家屋の修理費用などの不時の出費資金、借金の返済などの死後の整理資金も必要。医療費は特に大きな出費となることがあるので普段から準備が必要だ。
保険料…生命保険等の保険料も生涯を通せば実はかなり高額な買い物だ。人によっては車よりも高い買い物になるだろう。万が一の為の保障も、それなりの高額商品であることは忘れてはならない。
相続対策資金…相続時に支払う相続税の為の準備資金。想定外の金額の相続税の場合、相続破産になる可能性があるため、ある程度準備しておくことも必要。

平均寿命の延びと、それに伴う高齢化社会の進行により、介護問題は深刻化している。社会保険制度として公的介護保険があるが、要介護・支援状態の認定要件を満たさない場合があることや、費用の自己負担分があることなど、自助努力での介護資金に対する備えも必要だ。

もちろん、公的年金も将来的には支給額の削減、支給年齢の引き上げ等、維持のために制度の改悪というのは必要不可欠と思われるので、よりいっそう自助努力が必要になってくるだろう。

経済準備を行う手段として生命保険は、将来に必要な資金を計画的に準備することが出来、途中、万一のことがおきても目的の資金を確保できる点で、有効な手段の一つといえるかもしれない。

3.生活設計と保険設計の手順

生命保険募集人が最適な保険商品を提案してくるため、以下の順序を踏むことが多い。

一、情報の収集
まずは、契約者側(被保険者)の以下の情報を求めてくる。
・本人及び家族の氏名と生年月日
・収入金額、生活費
・職業、勤務先
・生命保険の既契約内容
・既に準備している預貯金など
・加入している公的年金
・子供の教育・結婚計画
・住宅計画
・老後計画(定年退職、予想退職金、予想年金)
二、生活設計書の作成
ライフサイクル表で、家庭の現在の姿と将来の姿、その間の経済状態を目で見えるように図示し、必要となる経済準備の種類と必要額を明確にする。
三、保険設計書の作成
生活設計所により明らかになった経済準備の種類と、その必要額を満たすのに最適な保険商品を設計する。
四、設計書の提示と説明
生活設計書と、保険設計書を使い、顧客であるわれわれに最適と思われる保険商品を提案。気に入れば契約。

一言

と、言うことでここまでで生命保険とは?については終了となる。生命保険はあくまで自己資金が出来るまでの万が一のときの備えである、というのが持論なので必要最低限以上の保障は生命保険で確保しなくてもいいというのが個人的な見解だ。
そこらへんは、次以降、生命保険の別の側面をさらしていきながら語って行きたいと思っている。
僕ならどう考え、どんな保険を選択するかは、別のページを参照してほしい。
そして、それは人それぞれ考え方も、ライフステージも、ライフスタイルも違うわけで、どれが正しいのか?というものではない。もし、自分自身の加入する保険に自信がないのなら、専門家としていつでも相談に乗るので連絡してきてほしい。


健康保険と高額療養費制度は最強の医療保険なのだ ~しかし、それが日本の借金を加速度的に増幅させている~

そもそも、アメリカであれば公的健康保険がないので、民間の医療保険への加入はやった方がいいし、低所得者層はその民間の医療保険にすら加入出来ず、社会問題になっている(いわゆるオバマケアで改善しようと試みているが、実現まではもう少し時間がかかりそうだ)。

しかし、日本では国民皆保険の大号令のもと、健康保険という制度があり、基本的には我々の負担する医療費は最初から3割(高齢者であれば1割の人も)である。
だから、民間の医療保険は、あくまでこの公的健康保険を補完する役割でしかない、という解釈が僕は正しいと思っている。

入院すると相当お金がかかるだろう!と思っている人、「高額療養費制度」という仕組みをご存知だろうか?
この制度は簡単に言うと、高額な医療費がかかっても、月単位でみて原則10万円程度に支払う医療費の上限を設定する、という素晴らしい仕組みなのだ。

厚生労働省ホームページにも記載があるが、
「医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。」と説明されている。
高額医療費制度70歳未満
そして、これが平成26年現在の負担金額を示した図だ(70歳未満の場合)。

例えば、1ヶ月の入院費が100万円かかったとしよう。
すると、一般の人の負担金額は、、、まず、窓口で3割の30万円を支払わなくてはならない。
が、その領収書をもって申請をすると、、、
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1% =87,430円
となり、
300,000円— 87,430円 = 212,570円が高額療養費として支給される、というものだ。

つまり、一時金としては一旦支払わなければならないが、高額療養費制度として申請を行う事で、後で相当額が支給されるのである。この仕組みをきっちり理解した上で民間の医療保険への加入を検討した方がいいだろう。
この制度は民間の医療保険のように支給日数の上限も無いし、長期入院になれば「多数回該当」など、更に出費を抑えられる仕組みになっている。

ちなみに、この高額療養費制度の対象にならないものとして、

  • 差額ベッド代(病院の個室料金等)
  • 大衆薬
  • 先進医療にかかる費用等自由診療の費用

は、対象外となるのでこの部分の補完と、働けない間の収入補償の意味で民間の医療保険に加入する事は意味があるだろう。

と言っても、企業勤めの人など、被雇用者保険、国保組合に加入している人は病気等で休んだ期間「傷病手当金」という名目で、標準報酬の6割が1年6ヶ月を限度として支払われるという事も知っておこう。
さらに、一部企業の健康保険組合には、高額療養費制度に上乗せして支払いのある付加給付制度や、差額ベッド代を支払ってくれるところもある。
そのような企業にお勤めの方だと、医療保険に加入すること自体不要となる可能性もあるので、確認してみたらいいだろう。
もちろん、自営業者等、市町村国保には傷病手当金はないので、その分ケアが必要だ。

混乱させるようだが、もちろんこれらの制度は社会保障の一環であり、今の日本の状況から、将来にわたってこの制度が維持されるか?については疑問があるので、それを見越して民間の医療保険に加入しておく、というのも一つの方法だと考える。

いずれにしても、今の日本において公的健康保険と高額療養費制度は最強の医療保険なのだ。

・・・支払っている保険料も相当なものだけど。。。(給料をもらっている人は、明細をご覧あれ)


社会保障制度 ーThe・強制加入の日本最強保障制度ー

日本国には、病気、老齢、死亡、出産、怪我、失業、介護、貧困などの場合に、国や地方公共団体などが一定の水準の保障を行っている。それを社会保障制度という。いわゆるセーフティネットといわれるものでもある。
その社会保障制度を知らずして生命保険等に加入すると、大体過剰保険となり、無駄な保険料を支払うことになるので、国が信用ならんということは置いておいて、国がどの程度の保障を用意してくれているかは、きっちり把握しておく必要があるだろう。

何故なら、社会保障は強制加入かつ、最大規模の保障を享受できる保険商品だからだ。

1.社会保障制度の概要

社会保障制度は主に以下の4つで構成されている

社会保険制度
年金保険(国民年金・厚生年金・共済年金)、医療保険(健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度(長寿医療制度)など)、介護保険、雇用保険、労災保険があり、社会保障制度の中核をなしている。
公的扶助制度
「生活保護法」にもとづき、生活困窮者への程度に応じた保護と最低限度の生活保障およびその自立を手助けする生活保護制度などがある。
社会扶助制度
「児童手当法」にもとづき、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、時代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とした児童手当制度などがある。
社会福祉制度
老齢者、身体障害者、知的障害者、児童及び母子世帯の福祉を図ることを目的とした制度がある。

2.主な社会保険制度(年金・医療・介護)

社会保険は、生命保険などの民間の保険とは異なり、保障の対象となるものは全国民で、保険料の負担は義務化されている。
老齢年金等の給付は、現役世代の勤労者等が高齢者を支えるという世代間の扶養の考え方にもとづいている。
ここでは、社会保障制度の中で、中核をになう社会保険制度について簡単に紹介する。

A.公的年金制度

公的年金制度には、老後生活のための老齢年金、障害で働けなくなったときの障害年金及び死亡して残された遺族の生活の為の遺族年金の3つの年金がある。

一、国民年金
原則として20歳以上60歳未満のすべての国民が被保険者となる最も基本的な年金で、基礎年金として支給され、基礎年金には老齢・障害・遺族の3つがある。「一人一年金の原則」が確立されている。保険料は、自営業者等は個別に納めるが、一般の勤労者等はその被扶養配偶者分も含めて、厚生年金保険料または共済年金掛け金とともに納める。
二、厚生年金と共済年金
民間企業の勤労者や船員は厚生年金、公務員等は共済年金が基礎年金に上乗せされる形で、報酬比例の年金として支給される(いわゆる二階建て部分の年金)。保険料は、賞与を含む総報酬に対する基準額に一定の保険料率をかけて計算され、被保険者と事業主が折半で負担する。
B.医療保険制度

被保険者などの病気・怪我・死亡または出産などに関する保険給付(労災適用分を除く)を担い、全国民がいずれかの制度に強制加入となる「国民皆保険体制」がとられている。医療費の本人負担は、原則3割(健康保険・国民健康保険)。日本における最高級の医療保険である。

一、健康保険
被保険者となる一般の勤労者等は、その扶養家族を含めて給付の対象者。主に中小企業の勤労者が加入する「全国健康保険協会管掌保険」(「協会けんぽ」)と、大企業が従業員とともに健康保険組合設立のもと独自の事業経営をする「組合管掌健康保険」の2つがある。勤労者等が収入に応じた保険料を事業主負担とあわせて負担する。
二、国民健康保険
一般の勤労者以外の自営業者等の地域住民等を対象としたもので、市町村等が国民健康保険事業を行う。対象者一人ひとりが被保険者となるが、保険料はその負担者である世帯主がまとめて支払う。給付の内容は、健康保険とほとんど同じだ。
三、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)
平成20年度から老人保健制度が廃止され、75歳以上のすべての人を対象とした後期高齢者医療制度が創設された。原則として75歳以上の高齢者(及び65歳以上で一定の障害があり、広域連合の認定を受けた人)が、給付を受けられる。自己負担額は掛かった医療費の原則一割(現役並み所得者は3割)。高齢者世代内の負担及び高齢者と若年者との世代間の負担の公平化と財政の安定化を図る為、都道府県単位で全市(区)町村が加入する広域連合が運営主体となる(保険料の徴収と窓口事務は市(区)町村が行う。)
C.介護保険制度

被保険者は、65歳以上の第一号被保険者と40歳以上65歳未満の医療保険加入者である第二号被保険者となる。保険料の負担は被保険者の所得に応じて決められ、給付に必要な費用の半分は公費(税金等)でまかなっている。給付を受けるには所定の介護認定(要介護・要支援)が必要。そして、給付には、介護給付、予防給付があり、制度運営の主体である市町村(特別区)は、条例により特別給付を定めることも出来る。利用者負担は、原則費用の1割となる。

一言

と、いうことでしつこいくらいに言うが、日本で最大の保険商品は、国が制度化している社会保障制度である。
したがって、民間の生命保険はこの社会保障制度を補完する意味で契約する必要があると、僕は考えている。給料天引きで支払われているのでピンと来ていない人も多いかもしれないが、かなりの金額を支払っている。もちろん、年金問題とともに改革が必要だという声もあるが、今後も社会保障の支出は減る事が無いし、減らす事も出来ないだろう。沈み行く日本の元凶でもあると同時に、日本人であるメリットが最も享受出来る権利でもあると言えよう。
さらに見方を変えれば世代間格差とも呼ばれたり、日本最大級のポンジスキームとも呼ばれており、我々働き盛り世代の負担が増えているのだが、僕はセーフティネットは必要だと考えるし、弱者を守る為には最低限必要な制度なので、ある程度負担が大きい事については仕方が無いと考えている。
それにしても、契約は自動で強制的にやるわ、契約途中で条件をがんがん勝手に変えるわ、他の金融商品だったら詐欺で訴えられるレベルなのに、それをほぼ仕方なしとして受入れている我々国民も大概お人好しだ。
僕個人としては、今の日本において最も裕福なのは高齢者であるという現実もあるので、現時点での高齢者を対象としてある程度の改革は必要だと思っている。


公的年金のひとつ、障害年金を勉強してみた3 〜障害等級はどこを見ればいいのか?〜

公的年金のひとつである、障害年金について勉強し、纏めてみた第三弾。
最後は主な残りの制度と、そもそも障害の等級はどこを見れば判断出来るの?という所を纏めてみたので参考にしてみてください。

正直、途中で心が折れております。
年金、本当に複雑すぎます。

障害手当金

初診日に厚生年金の被保険者だった人(当該初診日の前日において保険料納付要件を満たす者に限る)が、当該初診日から起算して5年以内におけるその傷病の治った日(症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った(年金用語で「症状固定」のこと)日を含む)において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態にある場合に、一時金として支給される(請求自体も5年以内でないといけない)モノだ。

その傷病による政令で定める障害の状態というのは、具体的には障害厚生年金3級に達しない、いわば「4級」と言える障害の場合である。

支給額は、「障害等級3級の場合の障害厚生年金の最低保障額の2倍」「障害厚生年金の額の算式より計算した額の2倍」のいずれか高い方である。

なお、症状固定された日に国民年金・厚生年金・共済年金による年金たる保険給付の受給権者、労働基準法による障害補償・労災保険法による障害(補償)給付等を受ける権利を有する場合には、障害手当金は支給されない。ただし、上の3つの制度の障害年金の受給権のある人が障害等級の3級にもあたらなくなってから3年以上たった場合に、別傷病で障害手当金に当たる障害状態となったときは障害手当金が支給される。

診断書などにより症状固定と認定できるか否か、請求日はいつかなどにより、障害手当金の支給基準に該当するかどうかにより認定されます。
その後の請求の方法は、通常の障害厚生年金の裁定請求と同じで、年金裁定請求の用紙、診断書、申立書など必要書類一式を年金事務所に提出する事。

つまり、障害厚生年金3級に達しない、いわば「4級」と言える障害の場合に、年金ではなく一時金として支給されるもので、その額は、報酬比例の年金額(3級障害厚生年金)の2年分で、最低保障額は現在約115万円(3級障害厚生年金の最低補償額の2年分)というものです。

等級(障害認定基準)

等級(障害認定基準)については、明確に文書化されている。それが日本年金機構のホームページに記載されているこのPDFファイルだ。参考図までご丁寧に記載されている文書だが、こんなものを記憶しておける人はいないだろうから、どこにあってどういう事が明文化されているかを覚えておくだけでも十分だろう。

例としては以下の通り。

1級
  1. 両眼の視力の和が0.04以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢のすべての指を欠くもの
  5. 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  6. 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
  7. 両下肢を足関節以上で欠くもの
  8. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの
  9. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  10. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  11. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級
  1. 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  3. 平衡機能に著しい障害を有するもの
  4. そしゃくの機能を欠くもの
  5. 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
  6. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
  7. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
  8. 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
  9. 一上肢のすべての指を欠くもの
  10. 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  11. 両下肢のすべての指を欠くもの
  12. 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
  13. 一下肢を足関節以上で欠くもの
  14. 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
  15. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  16. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  17. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

公的年金のひとつ、障害年金を勉強してみた2 〜次は障害厚生年金〜

公的年金のひとつ、障害年金について勉強してみようという事で纏めてみた第二弾。
今回は障害年金の厚生年金についてだ。
老齢年金と同じく、2階建て部分にあたるもので、主にサラリーマンが対象の物となる。

障害厚生年金

厚生年金保険法に基づいて支給される障害年金で、各種公務員等が加入している共済年金、船員保険法に基づく船員の障害年金も、障害厚生年金とほぼ同様となる。

障害認定要件

基本的には障害基礎年金と同じだが、障害厚生年金はその対象が3級まで及ぶ。

受給要件
  • 初診日の属する月の前々月までに、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。) が被保険者期間の3分の2以上であること。さらに平成38年3月末までの特例措置は障害基礎年金と同じ。また、坑内員・船員としての被保険者期間は、老齢厚生年金とは異なり、実期間で計算する。
  • 厚生年金に加入している期間中、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた傷病による障害であること。つまり、初診日に厚生年金被保険者でなければ支給されない。初診日に被保険者であれば、障害認定日に被保険者でなくなっていてもいい。また70歳以上の高齢任意加入被保険者等も含む。
  • 障害認定日に障害等級1級、2級、3級に該当する程度の障害の状態にあること。なお、一般に厚生年金被保険者は同時に国民年金第2号被保険者でもあるので、障害等級が1級または2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金の両方が支給されることになる。ただし障害認定日において65歳以上の人は、通常は第2号被保険者ではなくなっているので、障害等級が1級または2級であっても障害厚生年金しか支給されない。
事後重症要件

基本的には障害基礎年金と同じだが、対象等級が1〜3級に広がっている。

基準障害要件

こちらは、障害基礎年金と同じく1と2級が対象。
基準傷病に係る初診日に被保険者であればOKで、既存障害の初診日に被保険者である必要はない。

併合認定の原則

障害厚生年金における併合認定を受ける為には、前後の障害が1級または2級でなければならない。ちなみに受給権取得時に1級または2級であれば、その後3級に改定されても差し支えなく、受給権取得当時に3級であってもその後障害の程度が増進して1級または2級になれば併合認定の対象となる。

年金支給額(平成26年4月現在)

【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(222,400円)〕

【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(222,400円)〕

【3級】
(報酬比例の年金額) 最低保障額(老齢基礎年金の満額の4分の3) 579,700円

※加給年金額
1級または2級に該当する人に支給される障害厚生年金には、受給権者によって生計を維持している65歳未満の配偶者(大正15年4月1日以前生まれの配偶者であれば65歳以上であってもよい)がいる時は、加給年金額が加算される(3級の者には加算されない)。なお、配偶者のみが加算対象で、子が何人いても加算対象とはならない。加算額は原則として224,000円。なお、当該配偶者が障害年金もしくは240月以上の被用者老齢年金を受けることができる場合は、加算額の支給が停止される。

報酬比例の年金額の計算式

報酬比例部分の年金額は、(1)の式によって算出した額となります。
なお、(1)の式によって算出した額が(2)の式によって算出した額を下回る場合には、(2)の式によって算出した額が報酬比例部分の年金額になります。

(1)報酬比例部分の年金額

障害厚生年金 報酬比例計算式
日本年金機構HPより

(2)報酬比例部分の年金額(物価スライド特例水準)

障害厚生年金 報酬比例部分物価スライドあり
日本年金機構HPより

(物価スライド特例水準の年金額とは、特例的に平成12年度から平成14年度のマイナス物価スライドを据え置いたものです。)

平均標準報酬月額とは、平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です。
平均標準報酬額とは、平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)です。
これらの計算にあたり、過去の標準報酬月額と標準賞与額には、最近の賃金水準や物価水準で再評価するために 「再評価率」 を乗じます。

※被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金額計算の基礎とはされません。

支給停止条件
  • 労働基準法による障害補償を受けることができるときは、6年間その支給が停止されることは障害基礎年金と同じだが、障害厚生年金の支給事由となった傷病以外の傷病によって障害補償を受けても、障害厚生年金は支給停止されない。
  • 労災保険法の障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付が支給されるときは、障害厚生年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行われる。具体的には、障害厚生年金のみの受給の場合、障害(補償)年金は83%、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は86%に減じられ、障害厚生年金と障害基礎年金とを併給する場合、、障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は73%に減じられる。
  • 平成6年改正による3年経過後の経過措置は障害厚生年金も障害基礎年金と同様。
  • 年金一般の給付制限のほか、障害基礎年金と同様の絶対的・相対的給付制限があるほか、障害厚生年金の受給権者が、故意もしくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、障害厚生年金の額の改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、障害厚生年金の額の改定を行うことができるとされる。

公的年金のひとつ、障害年金を勉強してみた1 〜まずは障害基礎年金だが、難しすぎるわ〜

国民年金法、厚生年金保険法等に基づき、疾病又は負傷(傷病)によって、一定程度の障害の状態になった者に対して支給される公的年金の総称を障害年金というわけだが、民間の保険でいうならば、生命保険の重度障害に位置づけられるだろう。

と、いう事で遺族年金だけでもうんざりしているところだが、障害年金についても予備知識として持っておいたほうがいいだろうという事で、纏めましたので参考にしていただければと思います。

ホント、日本の年金制度って複雑すぎるわ。

障害基礎年金

国民年金に加入している間(被保険者か、被保険者だった人で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満であること)に初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にある間支給される年金である。

国民年金法(いわゆる「新法」)の施行日(昭和61年4月1日)以後受給権が発生した場合に同法の規定に基づいて給付される障害年金のことを主に説明します。そのため、旧法における障害福祉年金は、施行日以後障害基礎年金(いわゆる20歳前傷病による障害基礎年金)に切り替えて支給されるのですが、ここでは詳しく説明しません。

障害認定要件

初診日から起算して1年6ヶ月が経過した日、あるいはこの期間内にその傷病が治ったか症状が固定化した場合はその日(以後、障害認定日という)において、障害等級1級または2級に該当すること。

ただし、例外として下記の状態になった時は、初診日から1年6ヶ月を経過しなくても、その日が障害認定日となる。

  • 人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日。
  • 人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日。
  • 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日。
  • 人工肛門又は新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日。
  • 切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)。
  • 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日。
  • 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日。
受給要件
  • 初診日の属する月の前々月までに、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。) が被保険者期間の3分の2以上であること
  • ただし初診日が平成38年4月1日前にある傷病による障害については、「当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないとき」、つまり初診を受ける前の日の年金納付状況が、初診日の月の13ヶ月前から2ヶ月前の1年間すべて、保険料を納付するか免除されていれば(滞納していなければ)障害基礎年金を受給できる。ただし初診日において65歳以上である者にはこの措置は適用されない(平成38年3月末までの特例措置)。

  • 20歳未満(就職して第2号被保険者となっている場合を除く)のときに初めて医師の診療を受けた者が、障害の状態にあって20歳に達したとき、または20歳に達した後に障害の状態となったとき。事後重症の場合も同様。
事後重症要件

事後重症とは、初診日から1年6月経過したときの障害は1級か2級の状態では無かったのだが、その後障害の程度が重くなり、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当した場合、その65歳に達する日の前日までの期間内に限り障害年金を請求することができ、認定されれば支給を受ける事が出来るという制度。

この制度を請求するにあたっては、以下の点に注意が必要だ。

  • 受給権発生日は請求した日であること。つまり、請求しなければ支給されない。障害の程度が該当したからといって自動的に支給されるものではない。
  • 3級の被用者障害年金の受給権者が2級以上に改定された場合は、改定に伴って請求があったものとみなされるため、改めての請求は不要。
  • 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、事後重症による障害基礎年金は受給できない。
  • 旧法の障害年金の失権者には、事後重症による障害基礎年金は支給されない。
基準障害要件

基準障害とは、障害等級に該当しない障害(既存の障害)がある人が、新たに傷病にかかりこの傷病による障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間に、初めて既存の障害と新たな障害(基準障害)とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に至った時、併合した障害の程度による障害基礎年金がその請求のあった翌月から支給されるという制度。

この制度についても以下の要件が発生する。

  • 被保険者要件・保険料納付要件は、既存の障害ではなく基準障害に係る初診日において判断される。
  • 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、基準障害による障害基礎年金は受給できない。
  • 基準障害による障害基礎年金の請求は、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当すれば、65歳以後でも請求することができる。
20歳前傷病要件

前述の通り、20歳未満(就職して第2号被保険者となっている場合を除く)のときに初診日があり、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあれば等級に準じた障害年金は支給されるのだが、もちろん、この制度にも要件が発生する。

  • 受給権者本人(配偶者または扶養義務者の所得は問わない)の前年の所得が、政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が行われない。ただし、子の加算額については支給停止から控除される。
    また天災等により所有する住宅・家財等の被害額がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた場合は、損害を受けた月から翌年7月までは所得による支給停止は行わない。
  • 「政令で定める額」は、
    単身の場合3,604,000円を超えると2分の1が、4,621,000円を超えると全部が支給停止となる。
    扶養義務者がいればその人数に応じて上限額が上がる。
    日本年金機構HPから、2人世帯(例えば結婚している夫婦など)の場合は、以下の通りとなる。

    これは、本人が保険料を支払っていない為に実施させる所得制限となる。

  • 恩給法による年金給付、労災保険法による年金給付を受けることができるときは障害基礎年金は支給されない。(これらの年金給付が支給停止されている場合には、障害基礎年金は支給される)。
  • 刑事施設、労役場、少年院その他これらに準ずる施設に拘禁・収容されている場合支給されない。
  • 日本国内に住所を有しないとき支給されない。
  • 当該受給権者は障害基礎年金所得状況届を誕生月にかかわらず毎年7月31日までに日本年金機構に提出しなければならない。
併合認定の原則
  • 異なる支給事由により複数発生する可能性のある障害年金は、前後の障害を併合して、1つの障害年金として支給される。この場合、新たに併合された障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。
  • 前後の障害の一方が支給停止となっている場合は、その停止されている期間は併合しない障害の程度によって支給される。
  • 障害厚生年金と障害基礎年金とであっても併合し、その場合は障害厚生年金は年金額の改定で対応される。
  • 旧法の障害年金と新法の障害基礎年金の場合は併合はするが、この場合は旧法の障害年金受給権は消滅せず、どちらか一方を選択受給する。
年金支給額

障害基礎年金の支給額は2014年4月現在では以下の通り。

【1級】 772,800円×1.25+子の加算
【2級】 772,800円+子の加算
子の加算
第1子・第2子 : 各 222,400円
第3子以降   : 各  74,100円

18歳到達年度の末日までにある子(障害等級1、2級障害者は20歳未満)がいる場合は、子の人数によって加算が行われますが、障害基礎年金には配偶者への加算は行われません。
障害年金を受ける権利が発生した後でも、子の出生等によって要件を満たすこととなった場合には増額改定される(2011年4月より)。この場合、要件を満たした14日以内に機構に届け出が必要となる。
また、障害の程度が増進した場合、厚生労働大臣は審査のうえ額の改定を職権ですることができ、また受給権者は厚生労働大臣に対し額の改定を請求することができる。ただしこの請求は受給権取得日又は厚生労働大臣の審査を受けた日から起算して1年を経過した後でなければ行うことができない(受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除く)。

支給停止条件
  • 受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法による障害補償を受けることができるときは、6年間その支給が停止される。なお、労災保険法の障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付が支給されるときは、障害基礎年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行われる。具体的には、障害基礎年金のみの受給の場合、障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は88%に減じられる。
  • 受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その該当しない間、支給が停止される。ただし、支給を停止された受給権者がその後新たな傷病により併合した障害等級に該当するに至った場合は支給停止は解除される。
  • 年金一般の給付制限のほか、故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は支給しない(絶対的支給制限)。また、故意の犯罪行為もしくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害もしくはその原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする給付はその全部又は一部を行わないことができる(相対的給付制限)。受給権者又は加算の対象となっている子が正当な理由なく受診命令に従わず、又は行政庁職員の診断を拒んだときも、相対的給付制限が課される。なお、自殺未遂によって障害となった場合には、支給制限はされない。

公的死亡保障生命保険 遺族年金制度についてお勉強してみる3 ~第一号被保険者向け制度とまとめ~

遺族年金制度について勉強してみようという事でスタートした纏めの第三回目。

今回は主にサラリーマンが受け取れる遺族厚生年金に対して、自営業者など第一号被保険者(任意加入被保険者、旧法の国民年金被保険者を含む20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人等、第2号被保険者、第3号被保険者でない人の事)が死亡した際にその遺族が受け取ることができる遺族年金制度、具体的には以下の寡婦年金、死亡一時金という制度についてみていきたいと思う。

寡婦年金

第1号被保険者として、老齢基礎年金の受給資格期間を満たした夫が老齢基礎年金の支給を受けずに死亡した場合において、妻が60歳に達した日の属する月の翌月(夫の死亡時すでに妻が60歳以上の場合は夫の死亡日の属する月の翌月)から65歳に達する日の属する月まで支給される。

つまり、老齢年金を受け取るまでのつなぎ期間、老齢基礎年金の受給資格を満たしたんだけどもらう前に夫が死んでしまった人がもらえる年金という事だ。

支給要件

細かい支給条件は、

死亡した夫の側
・国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間・保険料免除期間(学生納付特例・若年者納付猶予期間を除く)とを合算して、死亡日の属する月の前月までに25年(特例の場合は21〜24年)以上あること(第2号被保険者、特例任意加入被保険者期間は含まない)
・障害基礎年金の受給権者であったことがない(裁定を受けていない)こと(実際に障害基礎年金を受けたことがなくても、寡婦年金は支給されない)、なお旧法の障害福祉給付はここでいう障害基礎年金に含まない。
・老齢基礎年金の支給を受けていないこと
妻の側
・夫によって生計を維持していたこと
・夫との婚姻期間が10年以上継続したこと
・65歳未満であること(年齢の下限は問わない)

となります。共働きのサラリーマン世帯向けではなく、自営業者等の夫を持つ専業主婦向けの制度だ、ということですね。

支給額

夫の死亡日の前日における、老齢基礎年金額(第1号被保険者期間に係る額)の計算の例によって算出した額の4分の3に相当する額

支給停止・受給権の消滅
  • 夫の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給が停止される。
  • 労災保険の遺族(補償)年金が支給される場合は、寡婦年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行う。具体的には、寡婦年金のみの受給の場合、遺族(補償)年金は88%に減じられる。
  • 妻が65歳に達したとき、または再婚したとき、直系血族・直系姻族以外の者の養子となったときは、寡婦年金の受給権は消滅する。

さらに、年金が複雑と言われるひとつに、併給が受けれるのか受けれないのか?という事が非常にわかりにくい事があるが、この場合もそれに該当する。具体的には、

  • 夫の死亡により寡婦年金と死亡一時金の双方の受給権を満たす場合、妻の選択によりどちらか一方のみが支給される。
  • 寡婦年金と遺族厚生年金は併給することはできない
  • 夫の死亡についてすでに遺族基礎年金を受給していたとしても、要件を満たしたときは寡婦年金を受給できる。
  • 老齢基礎年金の支給繰上げを請求した場合、寡婦年金の受給権は消滅する。
  • がある。

死亡一時金

第1号被保険者として36月以上保険料を納付した者が、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けずに死亡し、かつ遺族基礎年金も支給されない場合に、対象となる遺族に一時金を支給する。

支払要件
死亡した者側
  • 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者(任意加入被保険者、特例任意加入被保険者、旧法の国民年金被保険者を含む)期間に係る保険料納付済期間(保険料免除期間は、納付した残余の額に相当する月数で計算)の月数が36月以上あること
  • 老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがないこと(母子福祉年金または準母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金を含む)
遺族側
  • 死亡した者の死亡当時に、その者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹であることで、支給優先順位はこの順となる。同順位の者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
  • 遺族基礎年金の支給を受けることができる遺族がないこと(同一月に受給権消滅・支給停止となった場合を含む)
    • 上記、平成26年改正前の遺族基礎年金における父子家庭の事例では、夫には遺族基礎年金は支給されないが、妻が要件を満たした場合には夫に死亡一時金が支給されることとなっていた。
    • 遺族厚生年金はこれに含まれないので、遺族厚生年金と死亡一時金は併給することができる。
支給額

死亡した者の保険料納付済期間に相当する月数に応じて、以下の金額が支給される。
36月以上180月未満 – 120,000円
180月以上240月未満 – 145,000円
240月以上300月未満 – 170,000円
300月以上360月未満 – 220,000円
360月以上420月未満 – 270,000円
420月以上 – 320,000円
死亡者が付加保険料を3年以上納付していた場合、死亡一時金に8,500円が加算される。

ということで、2つの制度を見てきたが、やはり第二号被保険者向けの遺族厚生年金に比べると支給額という面では見劣りするのは否めない。
サラリーマンが優遇されている面の一つではあるといえるが、自営業者はそもそもサラリーマンと同等の額面収入があっても税制等の面などを考慮してリッチな場合が多いし、自分でお金を責任もって管理している分、金融というものが身近で、知識もあり、対策をバッチリしている人が多いのでこういう制度を利用することを前提でいる人は少ないんじゃないかと思う。

と、いうことで大きく4つの遺族年金について確認してきた。
ここでわかる通り、子供のいるサラリーマン世帯であれば、少なくとも税考慮前で150〜200万円程度遺族年金が受け取れる可能性が高いと言える。

ここに、企業が用意している福利厚生制度による遺族保障があるとするならば、更に保険金は少なくても済むのではないだろうか?
福利厚生制度は各企業によって違うため、是非自分の家族が勤めている会社の福利厚生制度を確認して、国と企業がどこまで遺族に対して保障してくれるのかを、正確に把握しておきたい。

そして、自営業者等の場合でまったく対策をしていないという人は、これらの保障が少ない分、きっちりと民間保険か自分自身で備えを作っておきたい。