サラリーマンは会社の福利厚生制度、健康保険組合給付制度は理解しているか? 〜馬鹿にならないんです〜

福利厚生制度、と言えば一般的にはちょっとホテルに安く泊まれたりとか、ちょっと安い保険に入れたりとか、お祝い金がもらえたりする程度のモノ、と理解している人も多い。

しかし、会社によるのだが福利厚生制度で死亡やケガ、長期入院等の際に、給付金を出す所も少なくない(寧ろ、多い。)

そのため、サラリーマンの方で生命保険加入を検討されている方には、是非一度、ご自分の会社の福利厚生制度、そして健康保険組合の給付制度をチェックしてみる事をおススメする。
手厚い福利厚生制度がある会社の場合、任意保険の金額を減額可能性があるからだ。

ここでは、僕がもっとも所縁のある会社の加入する健康保険組合の制度を紹介する事で例としたいと思います。

●出産した時
被保険者
出産育児一時金
1児につき30,000円を支給

被扶養者
家族出産育児一時金
1児につき20,000円を支給

●死亡した時
仕事外の理由で被保険者が死亡したときは、被保険者に扶養されていた遺族に、「埋葬料」が給付されます。また、遺族がいない場合には、実際に埋葬を行った人に、埋葬料を上限として実費が支給されます。
一方、被扶養者が亡くなったときは、「家族埋葬料」が給付されます。

被保険者が亡くなったとき
埋葬料50,000円

被扶養者が亡くなったとき
家族埋葬料50,000円

●けがや病気をした時
1ヵ月、1件ごとの医療費の自己負担額(高額療養費は除く)から、20,000円を控除した額が給付されます。
つまり、自己負担額が最大20,000円である、という事です。

●けがや病気で会社を休んだ場合(有給消化以上)
被保険者が、労災保険から給付がある業務災害以外の病気やケガの治療のため仕事につくことができず、給料などがもらえないときは、被保険者とその家族の生活を守るために、「傷病手当金」と健保組合独自の「傷病手当金付加金」の給付が受けられる。休業4日目から1年6ヵ月の間に限る。

傷病手当金 : 1日あたり、標準報酬日額の2/3相当額
傷病手当金付加金 : 休業1日につき標準報酬日額の10%

●交通事故や他人との行為によるケガの時
交通事故や、ケンカ、他人の飼い犬に咬まれたなど他人の行為が原因でケガをした場合の医療費は、原則として加害者が支払うものですが、
加害者に支払能力がない場合や、損害賠償交渉に時間がかかることもあります。
するとその間、健康保険を使わずに受診をするのは被害者にとって大きな負担となります。
よって、当面の必要な治療費を健康保険組合が立て替え、被害者は健康保険で治療をうけることができるというものです。
ただし、本来は加害者が負担すべき治療費を健康保険組合が一時的に立て替えたに過ぎず、最終的にはその治療費を加害者または自動車保険会社へ請求されます。

ちょっと保険とははずれてしまいますが、こんな制度も他にもあったよ、という事で紹介しますと、

●退職する時
再就職しない場合、最大2年継続して引き続き健康保険組合員でいられる。

●人間ドックを受ける時
30歳以上の本人もしくは扶養家族であれば、年度1回に限り自己負担5000円で人間ドックを受ける事が出来る。
そのほか、脳ドック補助、無料歯科健診、子宮ガン・大腸ガン検査、インフルエンザの予防接種補助等もある。

いや~、サラリーマン万歳ですね。


学資保険の仕組み 〜僕が学資保険が嫌いな7つの理由〜

蛇足だが、僕は貯蓄性があるといっても学資保険への加入はおススメしていない。
厳しい言い方をするならば学資保険は、子供の為だといいながら、自分たちの手で資産運用をする事を放棄した親達の怠慢の逃げ道的商品だと思っている。

そして、そのような個人的な意見は置いておいても、あまり学資保険ってお勧めしない。

その理由を自分なりにまとめる。

1.利回りが低い
これは学資保険に限った事ではないのだが、今現存する保険は利回りが低い。
利回りが高いものでも返戻率130%、裏技を使っても150%が精一杯だ。300万円受け取る為に130%の保険でも、230万円そこそこは保険料を支払わないと行けない。たった70万円の利益を例えば子供が18歳になるまでに作る事が出来ないのだろうか?もう一度よく考えてみてほしい。
商品によっては、色々な特約が付いているが故返戻率100%を切る製品も存在する等、貯蓄性重視の保険のはずなのに、最悪の場合何の為の資産運用かわからないようなモノまで存在している。
2.資金がホールドされる
これは生存保険の最も嫌な部分のひとつではあるが、満期になるまで引き下ろしが出来ない。引き下ろしたい場合は相当のペナルティ(解約金)を支払い解約というかたちで引き下ろす事しか出来ない、という条件のもと、満期まで月々の支払いと、責任準備金を保険会社にホールドされてしまう。使いたい時に使えないお金が存在する事を許容出来る人はいいのかもしれないが、出来るだけそのようなお金は少ない方がいいに限る。
3.解約返戻金が低い
上に書いた通り、基本的には満期まで契約者側の資金を確実に確保運用する事によって、保険会社はその利回りを保証している。大体保険料払込終了時期から、保険金受取時期にはタイムラグが数年あるが、この間に一気に複利運用によって利回りを確保するのだ。よって、途中で解約された場合は十分な運用益を確保出来ておらず、逆に事業費(経費)のみが差し引かれた状態の為、途中解約による解約返戻金がどうしても低くなってしまうのだ。
4.無駄な保障がついている
貯蓄性の保険である学資保険には、無駄な保障が付いている場合が多い。
まず一番多いのが、契約者(親)が死んだ時に、支払いが免除され満期時保険が受け取れるというもの。たびたびこれはメリットとして挙げられるのだが、そもそも親が死んでしまった場合の状況を考えてほしい。確かに数百万円程度のお金が受け取れるという事はいい事ではあるが、おそらく学資保険に加入するほどの親の事だから生命保険にも加入しているだろうし、小さい時に親を亡くすという状況になる事自体がよくない事ではあるし、満期保険金が受け取れる時期は自分が18歳になってからだし、メリットとして挙げるほどのことかな?と思う。
そして、次に多いのが子供の万が一の時の保障だ。これも極端な例で子供が死亡した場合、その悲しみをお金では補えません。事故時の保障といっても、地域によっては子供の医療費は無料の地域もあるし、高額療養費制度もあるし、必要性はよく吟味が必要だ。
5.インフレ等円の価値の下落相場に弱い
別のコラムでも述べたが、満期時の保険金額が決まっている種類の保険は、インフレ等円の価値の下落によって、想定していた将来必要金額に対して、保険金額が足りなくなってしまうリスクを回避する事が出来ない。もちろん逆のケースもあり得るわけだが、その場合はこの保険金は価値があるかもしれないが、世の中は確実に不景気であり、他の心配が必要だろう。
6.税金面で損をする
これは、受取人が”親”か”子供”かで変わってくる。
契約者は”親”だから、”親”が受け取る場合は所得税、”子供”が受け取る場合は贈与税の対象となるだろう(親が生存の前提)。
例えば、返戻率130%、満期時300万円の契約だったとしよう。その場合、総支払い保険料は約230万円となるわけだが、
今の税制度の場合で比較してみると、
所得税の場合
(300万円ー(230万円+50万円(特別控除額)))×1/2=10万円 の税金がかかる

贈与税の場合
(300万円ー110万円(基礎控除))×10%=19万円 の税金がかかる

つまり、どちらにしても10万円以上の税金がかかり、結果実際手元に残る返戻金は減るという事になる。
返戻率が110%など利率が下がれば、もちろん所得税の方は支払う税金も減る。

ちなみに、生命保険料控除の話は営業マンから聞いて知っている人も多いだろうが、学資保険は一般生命保険料にあたる。
契約者である親は、学資保険に入るような人であればおそらく自身も生命保険や医療保険に加入しているだろう。この場合の生命保険も一般生命保険料にあたるので、この合計(学資保険料+生命保険料+医療保険など)に対する控除対象保険料額は合計8万円だ。つまり、生命保険料控除が本当に満足いく金額受け取れるかどうかは、微妙だろう。

もし、学資保険に加入するなら、誰が受け取るか?どう受け取るか?を”きっちり教えてくれる誰か”と相談するべきだろう。

7.そもそも、誰が子供が大学に行くと決めたのか?
これが最も学資保険が嫌いな理由だ。いつ、だれが子供が大学に行くと決めた?
もちろん、受け取る学資保険金の用途は表向き決められている場合でも支払われてからの用途は実質自由だ。
よってこれは気分の問題なのだが、どうも気に食わない。”学費”というキーワードを盾に無知な消費者から利回りの低い金融商品の契約を取ろうという意図がうかがえるので残念だ。

僕は将来、お金を与える親ではなく、お金の稼ぎ方を与える親になりたいと思う。


保険契約の手続きと流れ ーいよいよ契約、申込、第1回保険料、告知が重要ー

生命保険は「形の見えない商品」だから、生命保険募集人(営業マン)からの正しい説明や手続きと、契約者側からの正確な情報提供によって、お互い誤解の無い申し込み手続きが必要だ。
ざっくりした流れは、契約者の申し込み意思表示の後、意向確認書面と加入申込書の記入・捺印、第一回保険料充当金の払込、診査(告知)等の手続きを経てようやく契約成立となる。
それぞれの手続きには段階ごとに確認、署名(捺印)が必要なので、きっちり説明を受けて実践しよう。

1.申込書について

保険契約への申込書は、書いて出せば即契約となるものではないが、加入を申し込む書類なので、重要な書類だ。
まず、保険会社が作成した申込書に記載することから始まるわけだが、必ず契約者・被保険者が自分自身で記入し、署名・捺印する事が必要だ。もし、契約者と被保険者が異なる契約の場合は、被保険者の同意が必要。
記入の際の注意事項としては以下の通りだ。

  • 契約者、被保険者、保険金受取人の姓名及び契約者、被保険者の生年月日は、必ず戸籍等の公的書類記載のものを記載する事。
  • 職業は、会社員とか自営業とか抽象的なものではなく、事務員でデスクワークとか、個人商店で宅配業務をしている、とか具体的に書く。
  • 契約者が未成年の場合は、親権者もしくは後見人の同意が必要(契約者が結婚している、就業している場合は除く)
  • 告知書(告知欄)には、ありのまま記載する(虚偽を申請すると後々契約解除等のトラブルになるので注意)
    ・取扱者報告欄は、生命保険募集人が記載するが、契約者、被保険者双方面接のうえ、記載してもらう。(たぶん、向こうがそう言ってくる)
  • 最後、契約者、被保険者共内容をしっかり確認する

2.保険料の求め方

保険料は被保険者の生年月日から契約年齢を求めて、保険種類、保険金額に応じて求められる。
その契約年齢は保険会社によって「満年齢」を使用するか、「保険年齢」を使用するか分かれている。
満年齢は契約日を基準として計算される。
保険年齢は、満年齢の1年未満の端数について、6ヶ月以下は切り捨て、6ヶ月超のときは切り上げて満年齢に1歳加算する。
契約検討をした事がある人なら、保険によって何故その期間で自分の保険料が変わってしまうのか疑問に思った事があるのではないだろうか?それは、この保険年齢という考え方によるものだろう。

3.第一回保険料(充当金)について

第一回保険料に当てるために契約者が預けるお金の事で、領収証と引き換えに渡す。後々生命保険料控除の証明書になる場合があるから、しっかり保管する。
もちろん、契約が破棄になった場合は、領収証と引き換えにお金は返してもらえる。
この第1回保険料充当金は契約開始について非常に重要な意味を持っているので、支払いを要求されたら滞り無く支払いたいところだ。

4.告知・診査

契約の際には加入者の公平な危険分担のため、被保険者の健康状態などが一定の範囲内になるよう選択が必要だ。
そこで告知や医師等による診査(健康調査等)が必要なのだ。
保険料が予定死亡率などにもとづく危険度、被保険者の健康状態や職業などによる危険度を基準にして決定されるので、この危険度を判断するため重要事項に就いて質問し、被保険者(または契約者)から正確に情報を告知してもらう事を「告知義務」という。
医師による診査扱いの契約の場合でも、診査を行わない契約の場合でも、被保険者(または契約者)はこの告知義務の対象者となる。

診査(医者等による被保険者の健康調査など)の種類

  • 社医(保険会社所属の医師)や嘱託医(保険会社が委託した開業医等)による所定の健康診断書(診査報状)にて行うもの
  • 被保険者の勤務先等で実施した定期健康診断による所定の健康管理証明書にて行うもの(対象となる勤務先等には一定の条件がある)
  • 被保険者が病院等で受診した人間ドック等の検査成績表にて行うもの
  • 生命保険面接士(生命保険協会が定める専門の資格者)による所定の健康調査報告書にて行うもの。

一言

と、いうわけで保険の契約は保険業法等で決められているので、契約する際は粛々と言われた通りの手順で行う方がいいだろう。
もちろん、疑問に思った事はきっちり聞くべきだが。


平均入院日数と自己負担費用と先進医療と。 〜医療保険加入を考える指標例〜

さて、公的医療保障制度及び高額医療費制度は日本における最高の医療保険であり、民間の医療保険はそれを補完するものだ、と述べましたが、では、その”補完”とはどれ位をベースに考えればいいのでしょうか?

これも、人によって当然考え方が違うので一概には言えませんが、僕ならこう考えますという一例を示したいと思います。

キーワードは、平均入院日数と自己負担費用と先進医療です。

現在における医療保険は、入院日額の保障と、先進医療を受ける際の自己負担費用に対して保険金がおりるケースが多いかと思います。

では、それぞれどの程度なのか?頭に入っている人はなかなかいないでしょう。
これ、簡単に調べる事が出来ます。

平均入院日数
出典:厚生労働省「患者調査」/平成23年

まずこれが平均入院日数。これを見ると100日を超えるものは4種類しかありません。
意外とガンは入院日数は少ないのです。
そして、見てわかる通り、1位は”障害”です。2位、3位はいわゆる“ボケ“です。
この入院が長期化する症状に対して、保険金は支払われるのでしょうか?
それぞれの保険をしっかり確認したい所です。
ちなみに、障害であれば社会保障制度による障害年金が支給されるので、この点も考慮したいところです。

そして、それを除くと本当に100日を超えるものは最近は少ない事がわかります。

次に自己負担費用です。

入院時の自己負担費用
出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成25年度

これが、高額医療費制度適用後で、治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品費などを含んだ総額です。全てを合わせた平均が22.7万円と出ています。
この数字をどう見るかですが、一つの指標として参考に出来るのではないでしょうか。

先進医療の例
出典:中央社会保険医療協議会「平成24年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」

先進医療の実績
中央社会保険医療協議会「平成24年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」より

そして最後に先進医療に対する自己負担です。
大体の保険で1000万円、最近では2000万円まで保障します、なんて保険も出ていますが、果たしてそんなに必要なのでしょうか?
上記の通り、年間の実施患者数は僅かに15,000人弱。なお、2010年に新たにガン患者として診断された罹患数は約80万人。もちろんその前の年も、その前の年も70万人を超える方ががん患者として診断されておりそう考えるとがん患者の僅か1%程度が先進医療を受けていると考えても良さそうです。

もちろん保障ですから、万が一に備える必要がありますが、必要以上に契約する必要は無いでしょう。
ちなみに、「局所的に限定された状態の陽子線治療」というのはガン治療なので、やはりガンの治療を先進医療で、となるケースが高額となるようです。

以上、簡単に民間の医療保険の内容を決めるのに基本となる3つの指標について見てみました。
保障ですから、もちろんあるに越した事は無いですが、必要以上に保障をつける事によって将来資産を食いつぶすことにならないようにしたい所です。


契約の承諾と責任開始時期、クーリングオフについて ー保険契約は具体的にいつ始まるのか?ー

保険契約は、契約者の為といいながら、その契約者間の公平性を保つ為、契約締結には最終的に保険会社のOK(これを承諾という)が出ないと締結にならない。
しかも、保険会社がOKしたら、申し込みをしたら、そこから保険会社の責任が始まるわけでもない。
なんでこんなに生命保険募集人がいろいろ急がせるんだろう?と思ったあなた、それは生命保険募集人があなたのことを思ってのことか、その人自身の成績の為か、どちらかだ。
あと、クーリングオフの制度もあるので、紹介しておきます。

1.契約の承諾と責任開始期

承諾とは、生命保険加入の申し込みに対して、保険会社がその申込を認める事。
責任開始期とは、保険会社が契約上の責任を開始する時期

契約上の責任が開始されるためには保険会社の承諾が前提となるが、責任開始期は申込書が提出されたときではなく、申し込み、告知(診査)、第一回保険料(充当金)の払込の3つが全て完了したときだ。
つまり、保険会社の承諾が社内の処理等の理由で遅れたとしても、契約者側の申し込み、告知(診査)、第一回保険料(充当金)の払込が完了していれば、承諾され次第3つが完了した日にさかのぼって責任を開始してくれる。

告知書(告知欄)による契約の場合は、告知=申し込み書提出となる場合が多いので、第一回保険料(充当金)の払込日だけ気をつけておけばいい場合が多いが、
医師の診査による契約の場合は、医師の診査のタイミングが遅れれば遅れるほど、責任開始期が遅れてしまうので、注意が必要だ。
保険募集人も出来るだけ早急に診査をするよう調整してくれるが、被保険者側のスケジュールも出来るだけ調整して早めに診査を受けるようにしたい。

2.クリーングオフ(契約撤回請求権)

保険はあくまで金融商品であるし、契約者保護の観点、サービス向上と、生命保険に対する信頼を高めるため、クーリングオフの制度も当然ながらある。
このクーリングオフ(契約の取り消し)を行使する条件は以下の通り。

  • 契約申し込みの撤回などについての事項を記載した書面を交付した日
  • 「申し込み」をした日

いずれか遅い日を含めて消印が8日以内であれば、文書(郵送)で申し込みを撤回可能だ。

ちなみに、保険会社の指定した医師の診査を受けた後は、加入の医師が明確であるという判断がされ、この契約申し込みの撤回は取り扱われないので留意が必要だ。

そもそも、契約締結の際はこの件も含め重要事項として生命保険募集人からきっちり説明を受けよう。

一言

と、いう事でこの責任開始期は当たり前だが重要だ。契約の処理期間中に万が一がある可能性は低いかもしれないが、そもそもそういう不慮の事故のための保険なのだから、
保険に入ると決めているのであれば、出来るだけこれらの処理は早急に完了させるに越した事は無い。
クーリングオフも、基本的には生命保険募集人がしっかり説明をし、こちらがそれを十分理解し契約していれば特に必要のない制度だと思うけど、まああると安心出来るかな。


保全・アフターサービスの重要性と各手続き、留意点1 -特に払済保険という仕組みは保険見直しの強い味方だ-

保険は息の長い商品だ。
だから、一度契約をスタートしたら、その後何もメンテナンスしないで一生を終える可能性は低い。
自分のライフステージが変わったり、保険契約を見直したり、お金が払えなくなったり、保険が必要なくなったり、、、その種類は様々だ。
ここでは、いくつか基本的な保全ケースとその対処方法について紹介したいと思う。

1.保全・アフターサービスの重要性

保険の加入目的や、医療費・入院費や万一の場合の保障の確保だろう。
その万一の事故が発生したときに、契約が執行していたり、実際の給付内容や保障額が自分たちの意に沿うものでなかったら、保険契約は意味がない。
保険契約は長期にわたる契約なので、保全・アフターサービスがきっちりしているところを選びたいところだ。

保全・アフターサービスが必要になる場合
・結婚した場合の名義変更、改印、住所変更等の手続き
・契約者の変更、保険金受取人の変更、保険種類や保険金額の見直し、継続保険料の払い方変更から支払(負担)額の変更
・お金が一時的に必要になった場合の契約者貸付手続き
・保険料の払い込みが困難になった場合の対応手続き
・契約の失効と復活の手続き
・解約手続き
など、ネガティブな手続きほど早急な対応が必要となってくる

これらの変更に際して、すぐに手続きが出来るように、担当生命保険募集人、もしくは保険会社の受付窓口の連絡先はメモをするなどいつでもわかるようにしておく必要がある。

2.お金が一時的に必要になってしまった場合の貸付手続き

一時的にお金が必要になってしまった場合、実は解約返戻金の一定範囲内で、保険会社から貸付を受けられる。これは保険会社にとっては他人への金銭の貸付業務に当たり、つまるところ保険会社が貸金業者となることによって責任準備金を運用していることにあたる。
貸付を受けた場合、保険会社の定める利率により利息を支払わなければならない。
また、貸付を受けた契約であっても、貸付を受けていない契約と同様の配当金は支払われる。
貸付金とその利息は、保険期間内であればいつでも返済でき、保険金が支払われる際には、未返済の貸付金や利息が差し引かれることになる。

3.保険料の払い込みが困難になった場合の手続き

長い契約期間中、保険料の払い込みが困難になった場合にはその時の状況に合わせていくつかの対処法がある。

A.一時的に保険料の払い込みが困難な場合
(自動)振替貸付が執行される。(自動)振替貸付とは、保険料の払い込みがないまま猶予期間が過ぎた場合に、契約は失効してしまうのだが、その契約の解約返戻金が払い込むべき保険料とその利息の合計より多いときは、解約返戻金の範囲内で、保険会社が自動的に保険料を立て替えて契約を有効に継続させることだ。ただし、約款の規定によりこの制度の適用のある契約が対象となる。
この貸付で発生した貸付金(立て替えられた保険料)と利息は保険期間内であればいつでも返済でき、保険金などの支払いの際には、未返済の保険料や利息が差し引かれる。
B.途中から保険料を支払わずに契約を有効に続けたいとき
払済保険 …以降の保険料の払い込みを中止して、そのときの解約返戻金をもとに、元の契約の保険期間を変えないで、一時払いの養老保険もしくは元の契約と同じ種類の保険に切り替えたもの。もちろん、保険金額は元の契約の保険金額より小さくなってしまう。なお、各種特約がついた契約だった場合、その特約部分は変更後消滅するので要注意

延長(定期)保険 …以降の保険料の払い込みを中止して、そのときの解約返戻金をもとに、保険金額を変えないで一時払の定期保険に切り替えたもの。こちらも各種特約がついた契約の場合、その特約部分は変更後消滅してしまう。
また、この保険は、そのときの解約返戻金の額によって、次の2つの場合が生じる。

  1. 保険期間が元の契約の保険期間より短くなる場合、その期間満了で契約は消滅する。満了日まで生存した場合でも保険金は支払われない。
  2. 保険期間が元の契約期間を超える場合、元の契約の保険期間にとどめ、満了日に生存保険が支払われる。この場合、生存保険金額は元の契約の満期保険金額よりも小さくなる。
C.保険料の負担を軽くしたいとき
減額…保険期間の途中から保険金額を減らすこと。減額部分は、解約されたものとして取り扱い、解約返戻金があれば払い戻すことになる。

ちなみに、Bの「保険料の払い込みが困難になった場合の手続き」については、支払が困難にならなくても非常に使える仕組みだ。
たとえば、もう保険自体は必要がない、保険を見直して別の契約にするけれど、今まで支払った分の契約を生かしたままにしたい場合などには非常に有効だといえる。
積立型の養老保険など高い保険契約をしているが、見直しをしようとすると「解約したら損ですよ」と保険の営業マンからいわれる人は、既存の契約を払済保険に変更して、新しく保険料の安い収入保障型の保険に加入と、別の積立型の金融商品を始めるなど僕はこの払済保険という仕組みは大変活用し甲斐があるものだと思っている。

4.継続保険料の払い込みと猶予期間

猶予期間…保険料は払込期月までに払い込まなければならないが、払込期月に遅れても、一定の期間は保険料の払い込みを待つことになっている。この期間を猶予期間という。
猶予期間は保険料の払込方法(回数)によって異なる。

  1. 月払いの場合…払込期月の翌月初日から末日まで。
  2. 団体月払いの場合…猶予期間は、保険会社によって取り扱いが異なるので、保険会社に確認が必要だ。
  3. 半年払、年払の場合…払込期月の翌月初日から翌々月の月単位の契約応当日まで。ただし、契約応当日が、2月、6月、11月の各末日の場合は、それぞれ4月、8月、1月の各末日となる。

なお、猶予期間中に死亡した場合は、保険金は支払われるが、支払う保険金額から未払い込みの保険料が差し引かれる。

一言

今回話した事は、たぶんほとんどの人が加入時に説明されていないだろうと思う。
普通に契約するだけなら、知る必要が無いものだからだ。
例えば振替貸付は、いい言い方をしたら契約者が出来る限り契約を継続出来るように、そしてそれは保険会社が自分たちが支払わなければならなかった分を保険料として徴収する、支出を減らす事と収入を増やす事を同時にやることなど、どの処理も保険会社は痛まない。
しかし、上にも書いた通り払済保険は知っておいて損のない仕組みだといえる。


日本アクチュアリー協会と、アクチュアリーと生命保険の関係性 〜現存する最難関の資格のひとつ〜

アクチュアリーという言葉を聞いたことがあるだろうか?
僕は知らなかった。

アクチュアリーとは、ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価等を専門とする専門職として、日本アクチュアリー協会が認定する資格と、その資格を保有する人のことだ。(もちろん、海外でも存在する資格だ)

資格の中でも最難関に位置するこの資格の正会員保有者は日本でわずか1,000人と少し(2014年現在で)。

この資格が何故生命保険とかかわりがあるのか?

実は、保険会社が保険料を算出する際に使用する死亡率がまとまった「標準生命表」を作成しているのがこの日本アクチュアリー協会で保険数理を専門としている人たちなのだ。

日本アクチュアリー協会作成 標準生命表2007年度版

この標準生命表で導き出される死亡率を元に、各生命保険会社は保険料を決めている。

しかし、実はこの死亡率よりも生命保険会社の定める死亡率は高い。
つまり、最初から生命保険会社の膨大な利差損を穴埋めする為に、死亡率を高めに設定し、保険料を徴収しているのだ。

最近は、非喫煙者割引など、優良体商品といわれる安い保険料の商品が販売されるなど、この高い死亡率設定が改善されつつあるが、それでもまだまだ下げるべき余地が大きいと思う。

特に知っていることで得する情報ではないが、うんちくとして知っていると、ちょっと通っぽい。

ちなみに、この資格は正会員になるのに8年はかかるといわれているが、
確率論の進歩と金融工学の発展によりリスク測定の概念が拡大してきたこともあり、生命保険・損害保険・企業年金といった伝統的な分野だけでなく、金融の世界で数理を扱う領域を幅広く取り扱うようになってきているので、資格の中では圧倒的に引く手数多であるといえる。