生命保険と物価上昇率リスク 〜契約者側だけが回避できないリスク〜

生命保険は長期の契約だ、その期間は長ければ一生(終身)に及ぶ。

その長い契約の中で、考慮しなければならないものだがわれわれ契約者が回避できないリスク、それが物価上昇リスクだ。

単純な話だけれど、あなたがたとえば死亡したら遺族が3000万円の保険金を受け取れる契約を、車1台が100万円で買えていた時代に契約したとする。
すると、その瞬間であれば遺族は保険金で車30台を購入できていた(必要ないけど)。

仮に今黒田日銀と安倍内閣が目指している物価上昇率2%(正確にいうと、指標が少し違うので実際我々が感じる物価の上昇率は更に大きい)、これを持続的に複利で達成し続けて35年後、物価が約2倍になった時代に、あなたが死んで遺族が受け取る金額は変わらず3000万円なのだ。

同じ3000万円でも、物価が2倍になった時代、つまりお金の価値が2分の1になるのだから買える車の数は15台になる。

これが、僕が保険金額固定で契約する生命保険の弱点であると考える点だ。

出口である支払いの金額が固定されているので、お金の価値の増減がそのまま反映されてしまう。
逆に年金は物価スライドという制度があり、物価の上昇下降を支給額に反映させる仕組みがあるのだ。もっとも、真に反映しているとは言いがたく、都合良く使われている感が強いのだけど。。。

保険料も一定額である場合が多いので支払いという意味では楽になる印象があるが、物価が上昇したから我々の収入がそれに伴って額面通り増えるのか?という疑問が残るので、やはり物価上昇は支給額固定の生命保険ではリスクヘッジできないと考えている。

当然、学資保険等の支給額が固定の商品は全て同じだ。

では、保険会社側はこのリスクを回避出来るのだろうか?

もちろん、100%は無理だ。100%は無理だが、保険会社側はその時代時代で新たに契約する人間が現れる。
よって、それらの新規契約者の保険料を調整する事でリスクを軽減する事が出来るのだ。

それでは、物価が持続的に下落する、つまりデフレーションの世の中がこのまま続くといいのだろうか?と思う人もいるかもしれないが、それはそれで日本という国の衰退を早めてしまうので、それを望む人は少ないだろう。

では、これを回避する策はあるのか?

結局結論はいつも同じだが、自分保険を作る事。
保険や貯金、年金にばかり頼るのではなく、自分で変額保険等を使ったり、勉強してリスクを許容し資産運用を行い、物価上昇(≒金利上昇)に連動させた資産を形成する、という事が重要だ。


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