公的死亡保障生命保険 遺族年金制度についてお勉強してみる1 〜遺族基礎年金と労働基準法と労災保険〜

民間の生命保険に加入を検討する際、どれくらいの人が国が用意している公的生命保険とも言える遺族年金を、自分が死亡した際残された家族が受け取ることができるかを把握して加入しているのだろうか?

僕個人の感覚では、あまり多くないと思う。

しかし、この遺族年金や、一部企業で用意している福利厚生(死亡退職金や弔慰金など)の額は想像以上に大きいのではないかと思う。
つまり、この金額を考慮せずに保険金を決めると、保険金を受け取る側は無駄に豊かな生活が待っているわけだが、そもそもそれを意図して保険に入る人はほぼいないだろうから、きっちりと把握しておくに限る。

とは言いつつも、年金は最も複雑で一般の人が理解しにくいように設計されている金融商品のひとつだと僕は思っている。
日本年金機構のURLを貼付けているのでそれぞれ最新の年金制度は確認いただきたいが、ひとつずつ制度についてみていきたいと思う。

遺族基礎年金

老齢年金と同じく、遺族年金も2階建てとなっており、遺族基礎年金は1階部分であると言える。これが一番簡単なので、これからいこう。

支給要件
  • 老齢基礎年金の受給権のある人、もしくは受給資格期間を満たしている人
  • 被保険者で、
    1. 平成38年4月1日前に死亡した場合:死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がない人。
    2. 平成38年4月1日以降に死亡した場合:保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上の人。
受取人
  • 子のいる配偶者
    1. 18歳未満
    2. 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

実は、去年度まで”夫”は対象外だったのだが、今年度(平成26年度)からは、子のいる夫にも支給される事になった。=「子のいる妻」から「子のいる配偶者」となった。

支給額
子のいる配偶者の場合
基本年金額(老齢基礎年金の満額と同額(772,800円))に、第1子・第2子は一人につき224,000円×改定率、第3子以降は一人につき74,000円×改定率が加算される。
子の場合
子が1人の場合は基本年金額のみが、子が2人以上の場合は、第2子は224,000円×改定率、第3子以降は一人につき74,000円×改定率が加算され、子の総数で頭割りする。
支給停止・受給権の消滅

もらう事に条件があるように、もらえなくなる事にも実は条件がある遺族基礎年金。

その最も重要なポイントは、死亡者が生計を維持していた家族に対して支払われる年金のため、残された配偶者の所得が850万円以上が継続される場合支払われないという事だろう。
つまり、これだけの収入があれば、生計を自分で維持出来る、と判断されるわけだ。

他には、

  • 被保険者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるときは、死亡日から6年間、その支給が停止される。
  • 労災保険の遺族(補償)年金が支給される場合は、遺族基礎年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行う。具体的には、遺族基礎年金のみの受給の場合、遺族(補償)年金は88%に減じられる。
  • 「配偶者や子」の所在が1年以上明らかでないときは、その所在が明らかでなくなったときにさかのぼって支給停止される。
  • 「子」に対する遺族基礎年金は、生計を同じくするその子の父もしくは母があるときには、支給停止される。
  • 等がある。

労働基準法の規定による遺族補償とは、
労働基準法 第79条において、「労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の1000日分の遺族補償を行わなければならない。」という事を明記されている。
これは、社員が仕事が原因で死亡したときは、会社は遺族に対して、給料(正確には平均賃金)の1000日分の遺族補償を行わないといけないという事になり、あくまで仕事が死亡の原因だった場合の補償だと理解しておく必要がある。
労働基準法の規定の補償は1000日だが、遺族基礎年金は6年間支給されない、という日数の違いも理解しておこう。
たぶん、遺族基礎年金を6年もらうより、労働基準法もしくは、下の労災保険の遺族年金をもらう方が金額が多い人がほとんどじゃないかと思う。

労災保険の遺族(補償)年金とは、
労働者災害補償保険の事で、一般的に「労災」という言葉を聞くと思うが、これがそれにあたり、普通は仕事中の事故の時にお金がもらえる、くらいの認識の人も多いが、死亡した際に遺族(補償)年金が支給されるのだ。
これまで説明しだすと非常に長くなってしまうので、詳しくは
公益財団法人労災保険情報センターHP: http://goo.gl/6oFpRb
を参照してほしい。

よって、まず遺族基礎年金だけで、配偶者+子供2人が残された場合、税金考慮前で通常年間120万円程度が支給されるのだ(子が18歳になるまで)。

そして、”仕事”が原因で死亡した場合、それが認められれば労働基準法もしくは労災によって更に多くの金額が支給される可能性がある事を知っておく。
その場合は、労働基準法による補償が第一優先、その支給の有無に合わせて遺族基礎年金と労災保険の支給とその金額が決定してきます。


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