生命保険市場が巨大化した供給サイドの背景 〜古きを変えられない日本の縮図をそこに見る〜

以前の記事で生命保険が必要とされる、そして生命保険市場が巨大化した背景について述べたが、それはあくまで我々契約者側、つまりは需要サイドの背景である。

そして、供給側、つまり生命保険会社側の背景は無かったのだろうか?という問いに対する答えはもちろんある。

それは、「生命保険募集人の高いコストをまかなう為の十分な収益」を確保する為の販売戦略にあったのだ。

従来、生命保険の主力製品は、高利回りをうたった貯蓄タイプ養老保険だった。

しかし、貯蓄性の保険商品と、保障性の保険商品で比べると、支払われる保険料が同じだった場合でも生命保険会社が受け取れる手数料は、保障性の保険商品の方が圧倒的に大きいのだ。

だから、高い販売コストを吸収する為には保障性の高い「定期付き終身保険」を多く販売する戦略を取った供給サイドの問題もあるのだ。

前に、ギャンプルのテラ銭について記事を書いたが、基本的な掛け捨ての定期保険の場合、胴元である保険会社の取り分(利益と経費)は35%から60%を超えるモノもあると言われており、つまり胴元の取り分が最も多い金融商品と言えなくもない。

この高コストの元凶である1社専属の営業マン(セールスレディ)戦略は、欧米では見られない日本独自のビジネスモデルなのだ。

欧米では、金融の自由化が日本よりも早く、生命保険業界自体が、銀行・証券等と競争を余儀なくされていたし、販売チャネルも多様化しており、付加保険料が安く抑えられているのだ。

つまり、日本の生命保険業界は、「顧客のニーズにあった商品」ではなく「既存の販売組織を維持する為に必要な商品」を開発し販売しなくてはならなかったため、保険料が高くなり、市場も肥大化していったのだ。
いかにも既得権益を受益する目上の権力者が作ったフレームを逸脱する事を避け続け、経済が辟易している日本そのものを示しているとは思わないだろうか?

そこに目を付けた外資系の保険会社も、日本には多く進出してきているし、他の金融商品業界では考えられないくらいのシェアを取っているのも、日本の生命保険業者の厳しい立場が伺える。


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