相続の法律について ー相続問題は突然その時がやってくるー

前項で取り上げたとおり、保険金は契約者と保険金受取人の関係によっては相続税の対象となってしまう可能性がある。いわゆるみなし相続資産だ。
そのため、ここでは相続に関する平成24年現在の法律について触れたいと思う。

1.相続

相続…死亡した人(被相続人)の財産上の一切の権利・義務を他人が引き継ぐことをいう。被相続人は、原則として遺留分を犯さない限りは遺言で相続財産を自由に処分することが出来る。
遺言…人の死後にも、その人の意思を実現させる為の手段として認められている制度で、法定相続の規定に優先して実現させるという強力な効力を持っている為、法律で厳格な方式が定められている。
遺留分…被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して留保された相続財産の割合をいう。被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には相続開始とともに相続財産の一定割合を取得しうるという権利(遺留分権)が認められる。遺留分は、被相続人の遺言になどによる処分によって奪うことができない。ただし相続廃除や相続欠格に該当した場合は、この限りではない。

相続人と法定相続分
日本国では、相続人となる者の範囲や順位が法律(民法)で定められている。法律で定められた相続分を法定相続分といい、以下の表の通りだ。
相続順位

  1. 配偶者は常に相続人になる。ただし、ここでいう配偶者とは婚姻届提出済みの夫婦いずれか一方を指し、内縁の場合は含まない。つまり内縁の場合は相続権がない。
  2. 子供がいる場合は、子供と配偶者が相続人となる。(子が死亡、孫がいる場合は孫)
  3. 子供や孫がいない場合は、親(直系尊属)と配偶者が相続人となる。
  4. 子供や孫、親などがいない場合は、兄弟姉妹と配偶者が相続人になる。
  5. 配偶者以外の同順位の相続人が2人以上いる場合、相続分は原則として均等になる。

2.相続の承認と放棄

相続人は、被相続人の財産上の権利・義務を相続するかしないかを自由に決めることが出来る。その方法には、相続の承認と相続の放棄がある。

単純承認
被相続人の財産上の権利・義務をすべて受け継ぐ方法。もし借金などの債務が相続財産より大きい場合は、相続人は自分の固有財産から弁済しなければならない。
限定承認
相続財産の範囲内で債務を相続する方法。相続財産を超過する債務があっても、その債務を相続人固有の財産から弁済する必要がない。
相続の放棄
相続人が相続を拒否すること。相続財産も受け継がず債務も負担しない。

3.遺産の分割

遺言による分割…被相続人があらかじめ、自分の財産をどのように引き継がせるか定めておく方法。
各相続人による協議分割…遺言がないとき、各相続人の間で話し合って決める方法。
家庭裁判所による分割…各相続人の間で分割の協議が調わないときに、家庭裁判所の調停や審判を求める方法。

4.相続税の対象となる財産

●相続で引き継いだ財産には相続税が課せられるが、その対象となる財産は以下の通り
本来の相続財産…相続により取得した現金・土地など
みなし財産…死亡保険金や死亡退職金など

●受取人が相続人の場合の死亡保険金・死亡退職金に対する非課税枠は以下の通り
死亡保険金…(500万円×法定相続人の数)までの金額が非課税
死亡退職金…(500万円×法定相続人の数)までの金額が非課税

一言

と、言うことで簡単だが、これが現行の相続に関する法律だ。特に住宅や土地などの不動産等、流動性に乏しい資産が莫大で、なおかつ債務がある場合に、相続税が払えず。。。という自体に陥る場合があるだろう。
それでも故人ゆかりのものを相続したいと思うのが、人間の性なのだろうか。みなし財産も受け取りのタイミングが遅れれば遅れるほど相続税の支払いが重石となる可能性もあるので注意したいところだ。
個人的には、住宅なんぞは身分相応であれば、ローンを組んで買うものではない、と思うので、借金を作った状態で死にたくはない。


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