正しい告知とは -告知義務違反とそのペナルティは把握しておくべき事項だ-

ここでは、契約者側の義務である「正しい告知」について、言及したいと思う。
まず、「告知」のおさらいだが、契約の選択にあたって、保険会社が告知を求める事項に対して契約者は事実をありのまま告知する義務がある。事実を伝えなかったり、事実と異なることを告知した場合、最悪契約は解除または取り消しとなったり、契約上約束された保険金・給付金・年金等が支払われなくなってしまうものだ。このような事態を未然に防ぎ、制度の健全な運営のため、保険会社は契約者からの告知内容を確認している。

1. 告知内容の確認

保険会社は、個々の契約の危険度を判断し、適切な契約の選択を行うために、被保険者の健康状態や被保険者または契約者の職業など必要な情報を正確に知る必要がある。
保険会社は、告知書(告知欄)や診査報状、取扱者の報告などのほかに、保険会社の職員または保険会社の委託した者によって告知内容など確認をする場合がある。

契約確認は、契約成立前に行われる場合と成立後に行われる場合がある。その結果、申し込み内容や告知内容などについて事実と相違しているしていることがあれば、契約を引き受けない、または、契約成立後であれば契約を解除することがある

また実際に契約者が保険金・給付金等の請求をしたときに、保険会社の社員または保険会社が委託した者によって、治療・事故の状況などの事実の確認をする場合もある。

契約を引き受けると、保険会社は「告知書(告知欄)」を複写式として契約者に交付する、または契約成立後に「告知書(告知欄)の写し」を契約者に送付する等の対応とともに、「告知書(告知欄)」の内容を保管して契約者からの照会を受けて「告知書(告知欄)の写し」を送付する等の対応等を実施することにより契約者に告知内容を確認してもらう。
契約成立後に「保険証券」を契約者に送付し、契約内容の確認をお願いする。

記載事項が申し込みの際の内容と相違している場合には、すぐに保険会社に申し出てもらうように事前に生命保険募集人は契約者に説明しておく必要がある。

2. 告知義務違反と保険契約の解除

保険会社が告知を求めた事項について、告知義務者である被保険者(または契約者)が、故意または重大な過失により、事実を告知しなかったり、事実と違うことを告げた場合は、告知義務違反となる。
保険会社は、契約確認などによって告知義務違反を知った場合、その保険契約を解除できる

保険契約を解除すると、それ以前に死亡事故などが発生していても、保険金や給付金を支払わない。ただし、事故の原因と告知義務違反の内容との間に全く因果関係がない場合には、保険金や給付金は支払われる

過去からこの告知義務違反については契約者と保険会社との間ではいざこざが絶えない。
保険会社が保険金請求時に告知義務違反を理由に支払いを拒否した場合、その理由に因果関係が無ければ、この事を知っている契約者は、申し立てをしたり裁判を起こしたりして支払いを受ける等対処してきた。
この件について告知義務違反は契約者の過失だが、支払いについて拒否するべきか否かは、保険会社が契約者に指摘されるまでもなく正確に判断するべきではあるが、契約者側が自己防衛しなければならないのが現状だ(徐々に改善されてきているのだが)。

なお、保険契約を解除した場合、解約返戻金があれば払い戻す

次の場合は保険会社は保険契約を解除することが出来ない(解除権消滅)

  1. 契約が契約日(または復活日)から2年を超えて有効に継続した場合。ただし、2年が経過していても、保険金や給付金の支払い事由等が2年以内に発生していた場合には保険契約を解除することがある
  2. 保険会社が解除の原因を知ってから1ヶ月以内に解除を行わなかった場合
  3. 保険会社に対して、事実を告げるのを妨げる行為(告知妨害)や、事実を告げないようにすすめる行為(不告知教唆)などを、生命保険募集人が行っていた場合
  4. 保険契約締結時に保険会社が告知義務違反の事実を知っていたか、または過失により知らなかった場合

告知義務違反の態様が特に重大な場合(現在の医療水準では治癒が困難または死亡危険の高い疾病の既往症・現症等について告知をされなかった場合等)は、「詐欺による契約の取り消し」になることがある。この場合、既に払い込んだ保険料も返還されない

3. 生命保険募集人が告知義務違反をすすめる行為の禁止

告知義務違反を進める行為とは、被保険者(または契約者)が保険会社に告知を行うにあたって、虚偽のことを告げるようにすすめる行為や、事実を告げるのを妨げる行為、事実を告げないようにすすめる行為である。

例えば「告知義務違反をしても2年経過すれば契約は解除されないので、正しい告知をする必要はありません。」などと言ってくる生命保険募集人は違反行為を犯しているし、契約者にもそれを勧めているので信用しないほうがいいだろう。

一言

と、いうことで、せっかく保険契約を結ぼうというのに、契約が出来なかったり、契約を解除されたりしては元も子もないので、告知はありのまま正しく行おう。
基本的には、普通に正直に答えていれば問題ないはずなので、気負う必要もないと思う。
最後にも書いたが、告知義務違反を勧めてくる生命保険募集人は信用してはいけない。
後々、告知義務違反で損をするのは契約者で、その時、生命保険募集人は責任をとるわけではないのだから。


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