生命保険会社の資産運用 ーほとんどが日本国債による低利回り運用が実態ー

我々が支払った保険料は、共有の準備財産として保険会社が管理し運用している。
将来の保険金の支払いに備えるため、また、契約者への還元をするために効率的で安定した資産運用をしている。
産業として巨大な市場となっている日本の生命保険会社の運用資産高。
はっきり言ってその運用方針次第で日本経済を左右しかねない規模の金額はどのように運用されているのだろうか?

資産運用の原則

生命保険会社の資産運用の原則は以下の4つの方針で運用されている。

安全性
当たり前だが、将来の保険金支払いに支障がないよう、安全に運用する。
収益性
予定利率以上に運用する必要があり、更に配当金の割当を多くして契約者の保険料負担を軽減するため常に収益性を考えながら運用する
換金性
流動性ともいえるが、保険金の支払いが集中した場合に備えたり、機動的な運用が出来るよう資産の一部を換金性のある預貯金、公社債などで保有する
公共性
資産は多くの契約者から支払われた保険料をもとに成り立っているので、国民経済や生活の向上に役立つような公共性を持った運用を行う

資産運用の現状

資産運用の現状(平成23年度)だが、総資産は約327兆円。
主な投資対象と割合は以下の通り

  • 有価証券‥株式、公社債などで約80%!なんと250兆円くらいだ。
  • 貸付金‥有担保を原則として、基幹産業、国民生活に関わりの深い産業、中小企業、住宅ローンなど幅広く、大体13%
  • 不動産‥自社営業用と投資用があるが、投資用不動産は貸し出して賃貸料を得たり、売却して売却益をえたり、普通の不動産投資とほぼ一緒、2%くらいだが、その額は巨額だ。大阪の人なら、新大阪駅の一角に名だたる生命保険会社のビルがいくつも立っているのをご存知だろう。あれ自体に資産価値があるし、あれを企業に貸す事で収益を得ているのだ。

この中で特に考えるべきは約8割にものぼる有価証券の割合だろう。公共性と呼ばれる原則にもとづいて国内の企業や公社債への投資をしているわけだが、株式への割合はそれほど多くない。それは安全性を重視しているからだ。もし、株式への割合が大きければ、この20年間のうちに、生命保険会社は破綻していただろう。リーマンショック時のアメリカの保険会社の破綻状況を見れば、やはり債券への投資比率を上げざるを得ないと思われる。

一言

と、いうことで生命保険会社は国民から払い込まれた保険料を、国民のため、国民にとって一番いい投資先に大量に投資している。そう、国債だ。あれだけ借金まみれな日本の国債が暴落しないのは、日本人が自国国債を自分たちで購入している事による信用が大きいといわれている。つまり銀行の預貯金と、この生命保険会社の責任準備金の投資先が国債だからだ、といわれているのだ。つまり、国民は貯金と生命保険料を介して、日本国債を買っている。そりゃ、利息も余剰金も少ないわけだ。だって、国債の利回りは30年ものでも1.5%程度なのだから、これ以上の利息が払われるわけが無い。

この金融資産の国内循環の仕組みが崩壊しないうちは、日本は安泰だろう。逆にこれが崩壊した瞬間、日本はデフォルト危機だ。結局生命保険も日本の金融機関だから、日本と心中である事に違いは無い。
日本がデフォルトにならない事を祈るのみだ。(税金をアップさせるか、政府の支出を減らすかどっちか回避策はないだろうが)


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