生命保険の種類 ー基本はたった3種類しかないー

今回は、生命保険の基本的な種類について述べたいと思う。
主契約だの、特約だの、とにかく他の金融商品同様、複雑にする事で保険会社側の利益を見えにくくしている印象が強くややこしいが、生命保険の基本の型は少なく、ほとんどが応用となっているので基本をしっかり押さえたいと思います。

1.生命保険の基本型

現在、日本では49の保険会社で1000種類の保険があると言われているが、生命保険の基本型は以下の3つしかありません。

死亡(高度障害保障)保険
いわゆる「保障」と言われる保険リスクの引き受けにあたる保険。被保険者が死亡または高度障害になった場合のみ保険金が支払われる保険で、死亡保険にも以下の3つがある
・定期保険‥保険期間が定められているもの
・終身保険‥保険期間が被保険者の一生にわたるもの
・定期保険特約付終身保険‥終身保険に定期保険を上乗せして、一定期間死亡の場合の保障を大きくしたもの。保険の営業マンはこれを「老後の貯蓄プラン」ということがあるが、割高で富裕層等の相続対策用途以外は無用だと思っている。
生命保険会社の収益源は「死亡や医療事故の発生確率が予定より低い事」
先に紹介した収入保障型の生命保険もこれの変則型だ。
生存保険
いわゆる「貯蓄」と言われる運用資産の預かりにあたる保険。契約してから一定期間か満了するまで被保険者が生存していたら保険金が支払われる保険。代表的なものに「年金保険」や「貯蓄保険」がある
年金保険は生存保険金を年金形式で支払うもので、一定期間または終身にわたって所定の年金が支払われる
生命保険会社の収入源は「運用利率が契約者との約束利率よりも高い事」
生死混合保険
死亡保険と生存保険が組み合わさった保険(保障と貯蓄)で、被保険者が保険期間の途中で死亡または高度障害になったときや、保険期間満了まで生存した時に保険金が支払われるもの。
・養老保険‥死亡保険金と生存保険金(満期保険金)が同額のもの
・定期保険特約付養老保険‥養老保険に定期保険を上乗せしたもの。満期保険金より死亡の場合の保障を大きくしたい時はこちらだ。
過去、1980年代後半からは非常に高利回りをうたった養老保険が保険会社の主力製品として販売されていた。それが今、僕たちの世代に重くのしかかってきている。それについてはまた別の機会に述べたいと思う。

※多くの書物で、保険の基本3型といえば、定期保険、終身保険、養老保険という区分けをする場合が多いが、僕は”保障”と”貯蓄”という観点から、上記3つの区分けを用いている。
もちろん、定期保険、終身保険、養老保険の3つの区分けも基本3型といえる。

2.変額保険について

保険は、保険期間中に資産運用実績に応じて保険金額が変動するか否かで以下の2つに分かれる。
・定額保険‥契約時に定めた保険金額が保険期間中一定の保険
・変額保険‥保険期間中に保険金額が資産の運用実績に応じて変額する保険

変額保険は保険金額が運用の成果が上がれば大きくなるし、成果が上がらなければ小さくなる。つまり運用成果には投資に伴うリスクが大きいので定額保険の資産とは別に運用されている。
具体的には会計上、定額保険の資産は「一般勘定」で運用され、変額保険の資産は「特別勘定」で運用される。

変額保険はさらに以下の3つの種類がある

変額保険(終身型)‥終身保険タイプ
一生涯の死亡保障があり、死亡・高度傷害保険金額は運用実績によって毎月増減するが、契約時に定めた保険金額(基本保険金額)は保証されている。
変額保険(有期型)‥養老保険タイプ
満期までの死亡保障があり、満期まで生存したときは満期保険金が支払われる。
死亡・高度傷害保険金額は変額保険(終身型)と同じく最低でも基本保険金額は保証されているが、満期保険金額は保証されていないので、運用実績に追っては基本保険金額を下回る可能性がある。
変額個人年金保険
資産の運用実績により、受け取る年金額や解約返戻金額などが変動(増減)する。

3.何に備えるか?で生命保険を切り分ける

生命保険は”リスク”に備えるものだ。だから、その切り分けで考えると以下のようになる。

死亡保障
生命保険の最もベーシックな役割の部分。世帯主が死亡したり、病気になったりして収入が無くなって家族が路頭に迷うリスクへの所得保障など
医療保障
不意の事故や病気、または老後の医療費がかさむリスクへの補填保障など
生存保障
長生きする為の生活費、将来に備える為の貯蓄など
損害補償
これは生命保険ではないが、保有する資産(住宅の火災や地震による損壊、自動車事故による破壊など)が毀損するリスクの補償など

なお、生命保険の事を第一分野、損害保険の事を第二分野、医療保険や傷害保険等生命保険・損害保険のどちらでも扱う事が可能な保険を第三分野という。

一言

と、いう事で生命保険は簡単に言うと生死に関わる3パターンで分類され、さらに支払われる金額の変動の有無で2パターンにわかれ、後は特約とかで分かれるという事だ。
個人的には、リスクヘッジである生命保険に変額というリスクを背負って運用成績を求めるくらいなら、余分に支払う保険料を節約して他のもので投資することをおススメする。
生命保険はとにかく複雑。主契約では足りない所を特約を後付けて設計しているため、販売する側も、契約する側も自分がどんな保険に入っていたのかを忘れてしまうし、比較対象が本当に比較するべきものなのか悩ましい。
まるで、複雑にする事で契約者側にリスクに対する理解を誤らせる事、比較させないことによって言値で契約を迫ることを目的に金融工学を駆使して作られた金融商品のようだ。


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